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わいせつ被害による不眠(TFT)

わいせつ被害にあわれた女性が相談に来られました。

被害を受けた時に逃げることができ、その後知人に相談したり、上司に相談したりできたので、もう同じような被害にあうことは無いと頭ではわかっているけれど、自分にも非があるのではないかと悩んで、眠れなくなったり悪夢を見たり、夜中に何度も目が覚めたりして苦しいという訴えでした。

わいせつ被害にあった時に、自分が不注意だったせいでないか、隙があったからではないかと、自分を責めるような考えに苦しむことが多いようです。この方も、相手を信用してしまい、きちんと断らなかったことでご自分を責めていらっしゃいました。わいせつ事件で被害を受けたことで、被害者に責任はないこと、自分を責める必要はないこと、今はもう安全で安心して生活できる環境にあることを確認しました。確かにそれは頭ではわかっているのだけれど、苦しい気持ちや不安はなかなか消えないというお話しでした。

そこで、TFTのトラウマと人間関係ストレスのアルゴリズムを説明して一緒に行いました。最初は、7点だったSUDSubjective Units of Distress:自分の苦痛を10点満点で何点か表してもらう)が3点に下がりました。「楽になりました。あまり気にならなくなった」とおっしゃっていました。毎日寝る前に行うように助言し、1週間後に来室された時、「眠れるようになりました。悪夢もみなくなりました」ということで、日常生活もずいぶん楽になったようでした。

この方は被害から1か月以内だったこともあり、1度のタッピングで効果が見られたケースです。(ご本人の承諾を受け少し情報に変更を加えています)自分が頑張って忘れるようにしたら良くなると考え無理を重ねるよりも、トラウマのケアを受けることで回復が早くなるのでしたらそれを選択するのが良いように思います。TFTについては日本TFT協会のホームページをご覧ください